ESRI通信 第52号

平成24年12月14日
内閣府経済社会総合研究所 発行
Cabinet Office, Government of Japan
Economic and Social Research Institute

【巻頭言】

2050年の我が国の人口は約9500万人と推計されている。これは東京オリンピックの開催された1964年の水準に概ね匹敵する。しかし年齢別構成や地域別分布は明確に異なっている。少子・高齢化の趨勢については説明するまでもないだろうが、東京圏を中心とする三大都市圏への人口集中はとどまるところを知らないというのである。

首都直下型地震が30年以内に起きる確率が70%と言われている中で、それでいいのかという疑問は感じるが、ここでは触れない。結果として起きうる1つの悲観的なシナリオとして提示されているのが、国土の20%が無居住化してしまうというものなのである。しかも無居住地域がいわゆる地方圏に偏っていくという懸念まである。

そのような地域に新たな社会資本投資を呼び起こすことが困難であることは容易に想像できるだろう。東日本大震災を踏まえて叫ばれ続けているリダンダンシーの確保やミッシングリンクの解消とは逆方向の事態が起こり得るということなのである。  こうした事態に対処する処方箋はあるのだろうか。国土面積というパイが不変であり、人口が半分になるのであれば、1人が2地域を受け持てばいいというのは極めて単純な算術計算である。

言い換えれば、緩やかな二地域居住を進めるべきではないかという提案なのである。1年、1月、1週間といった単位でタイムシェアリングを行って、居住地と地方とを住み分けてもらうという考え方である。定年後のアクティヴシニアに自らのノウハウを活かして地域活性化に貢献してもらうと同時に、地域で消費してもらうという応用もあり得るだろう。アクティブシニアの介在により、地方の高齢層と都市の若年層とが共存するプラチナコミュニティという取り組みも考えられるだろう。現実に、熊本県天草市では、「二地域就労」という先駆的な試みも行われている。

地域活性化はもはや都市住民のライフスタイルにまで踏み込まないと成り立たない世界に陥っているのである。さらに言えば、地域活性化は、労働力市場の明らかな供給過剰体質を是正するための1つの切り口となりうるのではないかと思う。

平成24年12月

  • 経済社会総合研究所
    次長  小島 愛之助

【最新の研究発表】

<報告書の掲載>


【最新のシンポジウム・フォーラム】

<開催案内>


【最新の統計】

<SNA統計>

<景気動向指数>10月速報(平成24年12月7日)

  • 10 月のCI(速報値・平成17 年=100)は、先行指数:92.5、一致指数:90.6、遅行指数:87.2 となった。
    先行指数は、前月と比較して0.9 ポイント上昇し、2ヶ月振りの上昇となった。3ヶ月後方移動平均は0.17 ポイント下降し、6ヶ月連続の下降、7ヶ月後方移動平均は0.60 ポイント下降し、4ヶ月連続の下降となった。
    一致指数は、前月と比較して0.9 ポイント下降し、7ヶ月連続の下降となった。3ヶ月後方移動平均は1.06 ポイント下降し、5ヶ月連続の下降、7ヶ月後方移動平均は0.97 ポイント下降し、4ヶ月連続の下降となった。
    遅行指数は、前月と比較して0.5 ポイント上昇し、2ヶ月振りの上昇となった。3ヶ月後方移動平均は0.17 ポイント上昇し、2ヶ月振りの上昇、7ヶ月後方移動平均は0.16 ポイント上昇し、30 ヶ月連続の上昇となった。
  • 一致指数の基調判断
    景気動向指数(CI一致指数)は、悪化を示している。

<機械受注統計調査報告>10月実績(平成24年12月12日)

  • 機械受注総額(季節調整値)の動向をみると、24年9月前月比9.6%増の後、10月は同1.6%減の1兆7,873億円となった。
  • 民間設備投資の先行指標である「船舶・電力を除く民需」の動向を見ると、24年9月前月比4.3%減の後、10月は同2.6%増の7,044億円となった。このうち、製造業は同3.6%減の2,764億円、非製造業(除く船舶・電力)は同2.8%増の4,480億円となった。

<消費動向調査>11月調査(平成24年12月10日)

  • 平成24年11月の一般世帯の消費者態度指数(季節調整値)は、10月の39.7から0.3ポイント低下して39.4となり、3か月連続で前月を下回った。消費者態度指数を構成する4項目の意識指標のうち、「収入の増え方」は前月と比べて横ばいとなったものの、「暮らし向き」「雇用環境」「耐久消費財の買い時判断」は低下した。
  • 消費者(一般世帯)を対象に、世帯として「日頃よく購入する品物」の価格について1年後の見通しを調査したところ、「上昇する」と思うとの回答割合は減少して60.6%となった。他方、「低下する」と思うとの回答割合は7.4%、「変わらない」と思うとの回答割合は24.5%.となり、ともに増加した。

<法人企業景気予測調査>10–12月期調査(平成24年12月10日)

    • 平成24年10–12月期の「貴社の景況判断」BSIは、大企業・全産業では5.5と2期ぶりのマイナスとなった。製造業は、自動車・同附属品製造業、情報通信機械器具製造業などを中心にマイナスとなり、非製造業は、情報通信業、不動産業などを中心にマイナスとなった。中堅企業、中小企業もともにマイナスとなった。
    • 先行きについては、大企業は平成25年1–3月期にプラスに転化し、中堅企業、中小企業はマイナスが続く見通しとなっている。
    • 設備投資(ソフトウェア含む、土地除く)は、平成24年度は前年度比4.1%の増加見通しとなっている。

【参考】<月例経済報告>11月(平成24年11月16日)

  • 景気は、世界景気の減速等を背景として、このところ弱い動きとなっている。
    • 輸出は、弱含んでいる。生産は、減少している。
    • 企業収益は、製造業を中心に頭打ち感が強まっている。設備投資は、弱含んでいる。
    • 企業の業況判断は、製造業を中心に慎重さがみられる。
    • 雇用情勢は、依然として厳しさが残るなかで、このところ改善の動きに足踏みがみられる。
    • 個人消費は、弱い動きとなっている。
    • 物価の動向を総合してみると、緩やかなデフレ状況にある。
  • 先行きについては、当面は弱い動きが続くと見込まれる。その後は、復興需要が引き続き発現するなかで、海外経済の状況が改善するにつれ、再び景気回復へ向かうことが期待されるが、欧州や中国等、対外経済環境を巡る不確実性は高い。こうしたなかで、世界景気のさらなる下振れや金融資本市場の変動等が、我が国の景気を下押しするリスクとなっている。また、雇用・所得環境の先行き、デフレの影響等にも注意が必要である。

<統計調査公表予定一覧>

<統計調査公表予定一覧>
景気動向指数
速報
景気動向指数
改訂状況
機械受注統計
調査
消費動向調査
(全国・月次)
法人企業景気
予測調査
12月7日
(10月分)
12月19日
(10月分)
12月12日
(10月分)
12月10日
(11月分)
12月10日
(10–12月期)
1月10日
(11月分)
1月22日
(11月分)
1月16日
(11月分)
1月16日
(12月分)
 
2月7日
(12月分)
2月19日
(12月分)
2月7日
(12月分)
2月12日
(1月分)
 

「企業行動に関するアンケート調査」は毎年2月下旬~3月上旬に公表予定

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