ESRI通信 第72号

平成26年8月18日
内閣府経済社会総合研究所 発行
Cabinet Office, Government of Japan
Economic and Social Research Institute

【「未来を変える」】

本年5月に公表された経済財政諮問会議専門調査会「選択する未来」委員会の「中間整理」では、「現状のまま推移した場合」「人口減少や高齢化が急速に進行し」「50年後、地方圏を中心に4分の1以上の地方自治体で行政機能の発揮が困難になる」との予測の下、このような未来を変えるための改革・変革の方向性を示している。

また、地球温暖化問題では、国連気候変動に関する政府間パネルが平成25年~26年にかけて公表した作業部会報告書において、今世紀末には1986-2005年と比較して、世界平均地上気温は最大で4.8℃上昇するとの予測を示した上で、気温上昇を産業革命前に比べて2℃未満に抑制する可能性の高いシナリオを実現するための温室効果ガス排出経路を示している。

上記の例は、いずれも客観的・科学的にみて可能性の高い未来予測とそれに対する危機意識が多くの人々に共有され、そのような「未来を変える」ための改革や対策を示しているものである。

一方で、地震災害についてはどうであろうか。科学的予測としては、(独)防災科学技術研究所が「確率論的地震動予測地図」を作成・公表している。それによれば、例えば今後30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率などが地図上に示されている。

まず確率に関して、それがかなり高い(26%~100%)地域もあるが、3%や6%といった地域も多い。専門家によれば、地震に関しては3%でも十分高い確率とのことだが、素人の実感では3%はかなり低い(めったなことでは起こらない)と感じるのではないだろうか。

加えて、人口や温暖化と異なり地震がいつ起きるかという予測を全ての地震について行うことは未だ不可能であるゆえ、最新の科学的知見で確率を示されても俄かには実感として受け止め難いこともあるだろう。

さらに、地震のカテゴリーによっては再来間隔が数百年~数万年のものがあるなどという話を聞くと、自分自身どころか子や孫、ひ孫でさえ生きてはいない未来など実感できるはずはないと思う人も多いのではないか。

こうした背景ゆえに、地震災害はいずれ確実に起きるにもかかわらず、人口減少や温暖化の問題ほどには実感しづらい(自分や子・孫の時代には「起きて欲しくない」という思いが「起きないだろう」に転化しやすい)と考えるのは筆者だけであろうか。阪神・淡路大震災や東日本大震災の記憶が新しい現在においてすらである。

経済社会総合研究所の防災ユニットでは、(独)防災科学技術研究所が提供している科学的知見を基に、地震による甚大な被害を受け易いという日本の「未来を変える」(地震が確実に起きるという未来は残念ながら変えられないだろうが)のに少しでも役立つ研究を進めていきたい。

平成26年8月

  • 内閣府 経済社会総合研究所
    総括政策研究官 道上 浩也

【最新の研究発表】

<報告書の掲載>


【最新のシンポジウム・フォーラム】

<議事次第(配付資料)の掲載>

【最新の統計】

<SNA統計>

<景気動向指数>平成26年6月速報(平成26年8月6日)

6月のCI(速報値・平成22 年=100)は、先行指数:105.5、一致指数:109.4、遅行指数:116.9 となった。

  • 先行指数は、前月と比較して0.7 ポイント上昇し、5か月ぶりの上昇となった。3か月後方移動平均は0.63 ポイント下降し、5か月連続の下降、7か月後方移動平均は0.90 ポイント下降し、4か月連続の下降となった。
  • 一致指数は、前月と比較して1.8 ポイント下降し、2か月ぶりの下降となった。3か月後方移動平均は1.76 ポイント下降し、3か月連続の下降、7か月後方移動平均は0.26 ポイント下降し、17 か月ぶりの下降となった。
  • 遅行指数は、前月と比較して0.9 ポイント下降し、3か月連続の下降となった。3か月後方移動平均は0.87 ポイント下降し、17 か月ぶりの下降、7か月後方移動平均は0.44 ポイント上昇し、50 か月連続の上昇となった。

一致指数の基調判断

  • 景気動向指数(CI一致指数)は、足踏みを示している。

<機械受注統計調査報告>平成26年6月実績および平成26年7~9月見通し(平成26年8月14日)

  • 機械受注総額の動向をみると、26年5月前月比30.5%減の後、6月は同17.1%増の2兆5,451億円となった。
  • 民間設備投資の先行指標である「船舶・電力を除く民需」の動向を見ると、26年5月前月比19.5%減の後、6月は同8.8%増の7,458億円となった。このうち、製造業は同6.7%増の3,024億円、非製造業(除く船舶・電力)は同4.0%増の4,441億円となった。
  • 4~6月をみると、受注総額は前期比14.4%増の7兆8,446億円となった。また、「船舶・電力を除く民需」は同10.4%減の2兆2,824億円、製造業は同8.5%減の9,343億円、非製造業(除船舶・電力)は同6.7%減の1兆3,905億円となった。
  • 7~9月見通しをみると、受注総額は前期比15.3%減の6兆6,416億円の見通しになっている。また、「船舶・電力を除く民需」は同2.9%増の2兆3,484億円、製造業は同0.5%減の9,296億円、非製造業(除船舶・電力)は同2.2%増の1兆4,218億円の見通しになっている。

<消費動向調査>平成26年7月調査(平成26年8月11日)

  • 平成26年7月の一般世帯(2人以上の世帯)の消費者態度指数(季節調整値)は6月の41.1から0.4ポイント上昇して41.5となり、3か月連続で前月を上回った。消費者態度指数を構成する4つの意識指標のうち、「暮らし向き」「収入の増え方」「雇用環境」が前月と比べて上昇、「耐久消費財の買い時判断」が横ばいとなった。
  • 消費者(一般世帯)に、世帯として「日頃よく購入する品物」の価格について1年後の見通しを調査したところ、「上昇する」と思うとの回答割合は前月から上昇し85.5%、「低下する」と思うとの回答割合は3.4%と前月から低下、「変わらない」と思うとの回答割合も8.8%と前月から低下した。

【参考】<月例経済報告>平成26年7月(平成26年7月17日)

景気は、緩やかな回復基調が続いており、消費税率引上げに伴う駆け込み需要の反動も和らぎつつある。

    • 個人消費は、一部に弱さが残るものの、持ち直しの動きがみられる。
    • 設備投資は、増加傾向にあるものの、このところ弱い動きもみられる。
    • 輸出は、横ばいとなっている。
    • 生産は、消費税率引上げに伴う駆け込み需要の反動の影響もあって、このところ弱含んでいる。
    • 企業収益は、改善している。企業の業況判断は、慎重となっているものの、改善の兆しもみられる。
    • 雇用情勢は、着実に改善している。
    • 消費者物価は、緩やかに上昇している。

先行きについては、当面、消費税率引上げに伴う駆け込み需要の反動により一部に弱さが残るものの、次第にその影響が薄れ、各種政策の効果が発現するなかで、緩やかに回復していくことが期待される。ただし、海外景気の下振れが、引き続き我が国の景気を下押しするリスクとなっている。

<統計調査公表予定一覧>

<統計調査公表予定一覧>
景気動向指数
速報
景気動向指数
改訂状況
機械受注統計
調査
消費動向調査
(全国・月次)
法人企業景気
予測調査
8月6日
(6月分)
8月19日
(6月分)
8月14日
(6月分)
8月11日
(7月分)
 
9月5日
(7月分)
9月19日
(7月分)
9月10日
(7月分)
9月9日
(8月分)
9月11日
(7-9月期)
10月7日
(8月分)
10月20日
(8月分)
10月9日
(8月分)
10月10日
(9月分)
 

「企業行動に関するアンケート調査」は毎年2月下旬~3月上旬に公表予定

国民経済計算(GDP統計)公表予定はこちらから


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