ESRI通信 第75号

平成26年11月20日
内閣府経済社会総合研究所 発行
Cabinet Office, Government of Japan
Economic and Social Research Institute

【巻頭言】

いま、我が国は少子化危機に直面している。合計特殊出生率は、平成25年で1.43であり、平成17年に1.26と過去最低を記録してから微増傾向にあるが、人口置換水準といわれる2.07にはまだ及ばない。出生数は平成25年で約103万人と、低下し続けている。今年5月、日本創成会議・人口減少問題検討分科会(座長 増田寛也 東京大学公共政策大学院客員教授)から発表された「ストップ少子化・地方元気戦略」において、2040年までに若年女性が50%以上減少する自治体が896(全体の49.8%)あり、これら自治体が将来的には消滅する可能性があると提言されたことが、社会に大きなインパクトを与えたことは、記憶に新しい。

少子化問題は、地球温暖化問題と同様、世代を超えて数十年後の将来に大きな影響をもたらし、また、対策を講じてもそれが即効果を発揮するというものでもない。しかし、それだからこそ、将来を的確に予想し、要因をしっかり分析し、今から、適切かつ抜本的な政策を展開していくことが必要である。諸外国をみても、社会背景の違いはあるとはいえ、フランスやスウェーデンは、1990年代に低下した合計特殊出生率を見事に回復させてきている(フランス2.00、スウェーデン1.92 いずれも2012年)。

我が国の出生率低下の要因として主に挙げられるのが、未婚率の上昇と夫婦の子供数の減少である。未婚率は、この50年で、30歳前半の男女において、約10%からそれぞれ47.3%、34.5%(2010年)に上昇し、晩婚化が相当程度進んできている。また、最終的な夫婦の出生児数も2人に達しない(2010年)状況になっている。

こうした要因は、何が影響しているのか。そして、その克服のためには、どうすればいいのか。経済社会総合研究所の少子化ユニットでは、23年度に未婚男性の結婚、出生意欲について、24年度・25年度は、夫婦の出生意欲について、多面的に分析を行ってきた。そして、26年度。未婚女性の経済環境や生活環境と結婚意欲との関係について、研究を進めていくことにしている。筆者は、内閣府共生社会政策部局の少子化対策担当の職も兼務している。研究成果を政策につなげていけるポジションにあるわけであり、この利を活かして、実のある政策を見据えつつ、日々の研究を進めていきたい。私たちの未来に少しでも役立つことを心に念じて。

平成26年11月

  • 内閣府 経済社会総合研究所
    総括政策研究官 小野田 壮

【最新の研究発表】

  • ゼロ金利制約下のレジームスイッチ型金融政策の考察-確率的合理的期待均衡のマルコフスイッチ型DSGEモデルへの応用(飯星 博邦)を掲載しました。(平成26年11月)(本文は英語)

    本研究では、Davig and Leeper (2007)が開発したレジームスイッチ型テイラールールを導入したニューケインジアンモデルに、さらにゼロ金利制約を付加した。この拡張を行うため、Billi(2013)が提案した確率的合理的期待均衡の概念と計算手法を採用した。カリブレーション結果から、ゼロ金利制約がなければ、各マクロ変数の政策反応関数が線形になるので、確率的合理的期待と完全予見のどちらのケースも同じ経済変動が見られた。これと対照的に、経済主体が確率的合理的期待をとるならば、ゼロ金利制約下では負の需要ショックが名目金利をゼロ金利まで押し下げた場合、金融政策のレジームの如何にかかわらず、不確実性(需要ショックのボラティリティ)の増大が経済活動の一層の下落をもたらすことをシミュレーションにより示した。さらに、カリブレーションから、デフレ期ではゼロ金利制約をもたないモデルでの長期均衡の推定値は過小推定している恐れがあることが示唆される。というのは、ゼロ金利制約下では長期均衡の推定値として利用されるGDPやインフレの平均値は長期均衡値より小さい値をとることが判明したためである。

<報告書の掲載>


【最新のシンポジウム・フォーラム】

<議事次第(配付資料)の掲載>


【最新の統計】

<SNA統計>

<景気動向指数>平成26年9月速報(平成26年11月6日)

9月のCI(速報値・平成22 年=100)は、先行指数:105.6、一致指数:109.7、遅行指数:115.8 となった。

  • 先行指数は、前月と比較して1.2 ポイント上昇し、2か月ぶりの上昇となった。3か月後方移動平均は0.30 ポイント上昇し、2か月連続の上昇、7か月後方移動平均は0.43 ポイント下降し、7か月連続の下降となった。
  • 一致指数は、前月と比較して1.4 ポイント上昇し、2か月ぶりの上昇となった。3か月後方移動平均は0.13 ポイント上昇し、6か月ぶりの上昇、7か月後方移動平均は0.47 ポイント下降し、4か月連続の下降となった。
  • 遅行指数は、前月と比較して1.9 ポイント下降し、3か月連続の下降となった。3か月後方移動平均は0.83 ポイント下降し、2か月連続の下降、7か月後方移動平均は0.24 ポイント下降し、53 か月ぶりの下降となった。

一致指数の基調判断

  • 景気動向指数(CI一致指数)は、下方への局面変化を示している。

平成26年9月改訂(平成26年11月19日)

  • 9月のCI(改訂値・平成22年=100)は、先行指数:105.6、一致指数:109.8、遅行指数117.0となった。
  • 一致指数の基調判断
    景気動向指数(CI一致指数)は、下方への局面変化を示している。

<機械受注統計調査報告>平成26年9月実績および平成26年10~12月見通し(平成26年11月13日)

  • 機械受注総額の動向をみると、26年8月前月比2.2%減の後、9月は同8.0%増の2兆3,246億円となった。
  • 民間設備投資の先行指標である「船舶・電力を除く民需」の動向を見ると、26年8月前月比4.7%増の後、9月は同2.9%増の8,316億円となった。このうち、製造業は同12.0%増の3,637億円、非製造業(除く船舶・電力)は同1.7%増の4,783億円となった。
  • 7~9月をみると、受注総額は前期比14.9%減の6兆6,785億円となった。また、「船舶・電力を除く民需」は同5.6%増の2兆4,110億円、製造業は同12.6%増の1兆523億円、非製造業(除船舶・電力)は同1.2%減の1兆3,737億円となった。
  • 10~12月見通しをみると、受注総額は前期比9.1%増の7兆2,833億円の見通しになっている。また、「船舶・電力を除く民需」は同0.3%減の2兆4,049億円、製造業は同2.7%減の1兆243億円、非製造業(除船舶・電力)は同1.2%増の1兆3,907億円の見通しになっている。

<消費動向調査>平成26年10月調査(平成26年11月11日)

  • 平成26年10月の一般世帯(2人以上の世帯)の消費者態度指数(季節調整値)は9月の39.9から1.0ポイント低下して38.9となり、3か月連続で前月を下回った。消費者態度指数を構成する4つの意識指標全てが、2か月連続で前月から低下した。
  • 消費者(一般世帯)に、世帯として「日頃よく購入する品物」の価格が1年後どうなると思うか調査したところ、「上昇する」の回答割合が前月から上昇して87.5%となった一方、「低下する」と「変わらない」は前月から低下し、「低下する」の回答割合は3.4%、「変わらない」の回答割合は6.9%となった。

【参考】<月例経済報告>平成26年10月(平成26年10月21日)

景気は、このところ弱さがみられるが、緩やかな回復基調が続いている。

    • 個人消費は、持ち直しの動きが続いているものの、このところ足踏みがみられる。
    • 設備投資は、増加傾向にあるものの、このところ弱い動きもみられる。
    • 輸出は、横ばいとなっている。
    • 生産は、消費税率引上げに伴う駆け込み需要の反動の影響もあって、このところ減少している。
    • 企業収益は、改善に足踏みがみられる。企業の業況判断は、慎重となっているものの、大企業製造業ではやや改善している。
    • 雇用情勢は、着実に改善している。
    • 消費者物価は、このところ上昇テンポが鈍化している。

先行きについては、当面、弱さが残るものの、雇用・所得環境の改善が続くなかで、各種政策の効果もあって、緩やかに回復していくことが期待される。ただし、駆け込み需要の反動の長期化や海外景気の下振れなど、我が国の景気を下押しするリスクに留意する必要がある。

<統計調査公表予定一覧>

<統計調査公表予定一覧>
景気動向指数
速報
景気動向指数
改訂状況
機械受注統計
調査
消費動向調査
(全国・月次)
法人企業景気
予測調査(四半期)
11月6日
(9月分)
11月19日
(9月分)
11月13日
(9月分)
11月11日
(10月分)

12月5日
(10月分)
12月19日
(10月分)
12月11日
(10月分)
12月10日
(11月分)
12月10日
(10-12月期)
1月9日
(11月分)
1月21日
(11月分)
1月15日
(11月分)
1月19日
(12月分)

「企業行動に関するアンケート調査」は毎年2月下旬~3月上旬に公表予定

国民経済計算(GDP統計)公表予定はこちらから


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