ESRI通信 第122号

平成30年10月19日
内閣府経済社会総合研究所 発行
Cabinet Office, Government of Japan
Economic and Social Research Institute

【未来への投資】

今年4月より、文部科学省から経済社会総合研究所に出向し、総括政策研究官を務めています。教育分野と科学技術分野を担当しています。

教育分野については、昨年度からの継続で、「教育の質の変化を反映した価格の把握手法に関する研究」を進めています。「統計改革の基本方針」を踏まえ、GDP統計の改善を進める一環として、教育サービスの分野について、可能な限り質の変化を反映する形で実質ベースの産出等をより正確に計測するものです。教育という非市場サービスについて、アウトプットの数量に着目し、「質」の変化も加味して、サービスとしての生産価値を測定する、という考え方は一定の理にかなったものであり、欧州各国でも導入されている手法です。我が国でも国際的比較可能性の観点からこうした手法の実装について検討することは大いに意味のあることであり、既に導入した国の状況や未導入国の状況を調べ、また我が国に適用した場合にどういう形になるか、という具体像を描きだし、統計改革への反映の材料を提供していきたいと考えています。

また科学技術分野では、人工知能(AI)やそれを用いたロボティクスのような新しい技術の労働市場への影響を中心に、研究を行っています。とくに、少子高齢化社会において逼迫する労働力問題の解消にどのように活用できるのか、誰もが年齢にとらわれず生き生きと活躍するエイジレス社会実現において、どのような役割を果たし得るのかについては、社会の関心も高く、こうした問題意識の下、少子高齢化ユニットと連携して、今年末にESRI経済政策フォーラムを開催することを企画しています。

人的資本への投資である教育や科学技術への投資は、非市場サービスであったり、投資の経済効果が評価しにくい分野であったりと、マクロ経済の分析の中で取り扱うのは難しい対象領域ですが、経済成長、発展を支える非常に重要な未来への投資分野であることは疑いありません。こうした活動が経済活動に占める位置づけや、経済活動・産業構造に及ぼすであろう影響をマクロ的視点、ミクロ的視点で把握していくことは、日本の経済運営を進める上で大変重要です。経済社会総合研究所においては、こうした視点からこれらの領域を取扱い、これからも調査・分析を進めていきたいと考えています。

平成30年10月

  • 内閣府 経済社会総合研究所
    総括政策研究官 板倉 周一郎

【経済社会総合研究所からのお知らせ】


【最新の研究発表】

<報告書の掲載>


【最新の統計】

<SNA統計>

<景気動向指数>平成30年8月速報(平成30年10月5日)

8月のCI(速報値・平成22(2010)年=100)は、先行指数:104.4、一致指数:117.5、遅行指数:117.7となった。

  • 先行指数は、前月と比較して0.5ポイント上昇し、3か月ぶりの上昇となった。3か月後方移動平均は0.73ポイント下降し、2か月連続の下降となった。7か月後方移動平均は0.18ポイント下降し、3か月連続の下降となった。
  • 一致指数は、前月と比較して1.4ポイント上昇し、4か月ぶりの上昇となった。3か月後方移動平均は0.13ポイント上昇し、2か月ぶりの上昇となった。7か月後方移動平均は0.35ポイント上昇し、3か月ぶりの上昇となった。
  • 遅行指数は、前月と比較して0.2ポイント上昇し、3か月ぶりの上昇となった。3か月後方移動平均は0.30ポイント下降し、3か月連続の下降となった。7か月後方移動平均は0.03ポイント下降し、2か月連続の下降となった。

一致指数の基調判断

  • 景気動向指数(CI一致指数)は、改善を示している。

<機械受注統計調査報告>平成30年8月実績(平成30年10月10日)

  • 機械受注総額の動向をみると、2018(平成30)年7月前月比18.8%増の後、8月は同1.8%増の2兆6,765億円となった。
  • 民間設備投資の先行指標である「船舶・電力を除く民需」の動向をみると、2018(平成30)年7月前月比11.0%増の後、8月は同6.8%増の9,815億円となった。このうち、製造業は同6.6%増の4,551億円、非製造業(除く船舶・電力)は同6.0%増の5,235億円となった。

<消費動向調査>平成30年9月調査(平成30年10月2日)

  • 平成30年9月の消費者態度指数(二人以上の世帯、季節調整値)は、8月の43.3から0.1ポイント上昇して43.4となり、4か月ぶりに前月を上回った。消費者態度指数を構成する4項目のうち、「耐久消費財の買い時判断」及び「収入の増え方」が前月から上昇、「暮らし向き」が前月から低下した。一方、「雇用環境」は前月と変わらなかった。
  • 「日頃よく購入する品物」の1年後の価格の予想(二人以上の世帯)は、「低下する」が3.4%(前月差 +0.2%)、「変わらない」が12.2%(同 -0.7%)、「上昇する」が81.7%(同 +0.1%)となった。

【参考】<月例経済報告>平成30年9月(平成30年9月14日)

景気は、緩やかに回復している。

    • 個人消費は、持ち直している。
    • 設備投資は、増加している。
    • 輸出は、このところ持ち直しの動きに足踏みがみられる。
    • 生産は、緩やかに増加している。
    • 企業収益は、改善している。企業の業況判断は、おおむね横ばいとなっている。
    • 雇用情勢は、着実に改善している。
    • 消費者物価は、このところ上昇テンポが鈍化している。

先行きについては、雇用・所得環境の改善が続くなかで、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待される。ただし、通商問題の動向が世界経済に与える影響や、海外経済の不確実性、金融資本市場の変動の影響に留意する必要がある。また、相次いでいる自然災害の経済に与える影響に十分留意する必要がある。

<統計調査公表予定一覧>

<統計調査公表予定一覧>
景気動向指数
速報
景気動向指数
改訂状況
機械受注統計
調査
消費動向調査
(全国・月次)
法人企業景気
予測調査(四半期)
平成30年11月 7日
(9月分)
平成30年10月24日
(8月分)
平成30年11月 8日
(9月分)
平成30年10月31日
(10月分)
平成30年12月11日
(10–12月期)
12月 7日
(10月分)
11月26日
(9月分)
12月12日
(10月分)
11月30日
(11月分)
平成31年 3月12日
(1–3月期)
平成31年 1月10日
(11月分)
12月25日
(10月分)
平成31年 1月16日
(11月分)
平成31年 1月 8日
(12月分)
6月13日
(4–6月期)
2月 7日
(12月分)
平成31年 1月24日
(11月分)
2月18日
(12月分)
1月30日
(1月分)
 

「企業行動に関するアンケート調査」は例年2月下旬~3月上旬に公表

 (平成29年度調査の公表日: 平成30年3月2日)

国民経済計算(GDP統計)公表予定はこちらから


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