第21回ESRI経済政策フォーラム
「地方債と地方財政規律」(概要)

経済社会総合研究所

平成17年6月

本フォーラムの概要について、事務局の責任により以下の通りとりまとめましたので、ご参照ください。また、議論の詳細については議事録別ウィンドウで開きます。(PDF形式 116 KB) をご参照いただければ幸いです。

  • (開催日時)
    平成17年5月9日(月)15:00~17:30
  • (パネリスト)
    • 吉川 洋
      東京大学大学院経済学研究科教授・経済財政諮問会議議員
    • 吉野 直行
      慶應義塾大学経済学部教授
    • 熊野 順祥
      東京都財務局主計部長
    • 小川 隆平
      スタンダード・アンド・プアーズ
      ディレクター兼日本・韓国地域ソブリン及び公共部門格付チームリーダー
    • 山本 淳
      みずほファイナンシャルグループ経営企画部付参事役
    • 土居 丈朗
      慶應義塾大学経済学部助教授
      内閣府経済社会総合研究所客員研究員
  • (モデレーター)
    • 林 伴子
      内閣府経済社会総合研究所主任研究官

冒頭、土居丈朗氏より基調講演をいただき、その後パネルディスカッションを行った。最後に会場参加者の方々との質疑応答があった。

基調講演「地方債と地方財政規律」(土居丈朗氏)(資料参照(PDF形式 371 KB別ウィンドウで開きます。))

  • 地方債許可制は、国が、許可とともに使い道と貸し手を同時決定しているのが特徴。貸し手は民間資金も増えてきているが半分は公的資金。
  • 公的資金は民間資金より長期、低利で借りられるため自治体にとって魅力的。総務省は財政力の弱い自治体に公的資金をより多く割り当てており、税収が多くない自治体でも借金ができる構図になっている。
  • 自前の税収が多くない自治体でも借金できるのは、許可制のほかに、地方債の元利償還に対する地方交付税措置、地方財政再建制度の3つが「国による暗黙の保証」を支えているからである。
  • 元利償還金の交付税措置が多ければ基準財政需要額が多くなり交付税が増えるため、自前の税収が多くなくても国税に転嫁する形で借金ができる構図になっている。多くの自治体は、交付税措置されている債務は自らの債務ではないと認識している。
  • ミニ市場公募債発行、2テーブル方式採用、共同発行の試みといった新たな取組みは望ましいが、「国による暗黙の保証」を維持したままでは今後も成果が得られるか懸念される。不健全な自治体にも「暗黙の保証」をつけるのは問題であり、財政状況に応じて発行条件に差異を認める方向に持っていくべき。
  • 現行の地方債制度は、地元負担をできるだけ軽減して行政サービスを提供するという自治体の目的、利益最大化という金融機関の目的と誘因両立的に機能しているが、その負担が現在及び将来の国税納税者に転嫁されていないか懸念される。
  • 自治体のための資金を国債の最も低い金利で調達することは、自治体での行政サービスをより低コストで提供できることにはメリットがあるとの議論があるが、それにはコスト意識を失わせるデメリットもある。両者比較衡量したうえで金利差を活用していく必要がある。
  • アメリカでは、民間の金融保証保険会社が金利差を埋める形で、自治体の資金調達に債務保証している。カナダでは、自治体が集まって金融公社をつくり、より高い格付けを持つ金融公社が資金調達する形で、自治体が低い金利コストで行政サービスを行っている。
  • 地方財政再建制度については、準用団体を見ると、実質収支の改善には成功しているが、投資的経費は抑制されておらず、最大の収入源は地方交付税となっており、根本的な財政健全化を必ずしも達成していない。さらには、既存債務の整理に債務減免は求められず、地方交付税に過度にその負担を求めている部分がある。
  • 自治体にまつわる債務で債権放棄がないかといえば、地方公社等では特定調停による債務処理が既に進んでいる。特定調停は多少アドホックな面があるので、債務減免も一つの債務処理の道であることを明確にルール化していく必要がある。
  • 分権時代にふさわしい地方債制度としては、自己責任が明確になる必要がある。市場指向型の間接金融も含め、市場ベースでの価格形成がなされる形で貸借取引が行われるようにする。国は自治体に対して交付税措置等のような事前的な救済を行わず、財政ルールで監視して早期是正措置を講じる形をとるべきである。
  • 自治体が独自税収で債務を返済できないリスクはどの国でも、どの制度でも存在するが、それを誰とシェアするかが重要。現行制度は、極端に言えば、国税納税者がそのリスクをシェアする形だが、市場で多くの参加者―借り手の自治体、金融機関、預金者-を含めて、リスクを広く多くシェアする形で消化していくことが、分権化時代にふさわしい地方債制度である。
  • 地方債には市場化のよい芽がでてきているが、それを幅広く流通できるようにする必要がある。そのためには、格付けが必要。格付けは第三者評価のためだけでなく、地方債を金融商品として基準化して発行しやすくするメリットがある。
  • 地方債の保証は民間でもできる。
  • その上で国は市場の失敗を補完する役割を果たす。不健全な財政運営を行う自治体には財政ルールで監視。

[パネルディスカッション]

(吉川)

  • 問題は、日本では「地方債」とは名ばかりで、真の地方債になっていないこと。国が最終的に面倒見てくれるから国債のようなもの。
  • パブリックサービスの提供については、効率性、ガバナンスあるいは規律の観点から、もう少し地方で意思決定してもらった方がよい。目の前にあることは注意してみるはず。地方では、ボーティング・オン・フット(足による投票)と普通の選挙を通して規律が財政にも働くはず。自治体がひどいことをやっていれば住民が流出するはず。この前提のもとに、地方債を真の地方債にする必要がある。
  • 地方債の許可制が18年度より協議制に移るのは一歩前進だが、それが中間駅か終着駅かが今後の大きな論点になる。

(吉野)(資料参照([1]PDF形式 263 KB別ウィンドウで開きます。・[2]PDF形式 199 KB別ウィンドウで開きます。))

  • 現在、どのような事業に地方債が使われていても、全く同じ金利で市場で取引されていることが一つの問題点。
  • 今後は、全ての事業に対して同じ金利で同じ地方債というのではなく、もう少し事業別に地方債を出していく必要がある。
  • 共同発行、個別発行は2つに分けていく必要がある。教育、上水道、下水道といったナショナルミニマムまでの事業は、共同発行によりなるべく低い金利で共同で資金を吸収することが必要。日本では、ナショナルミニマムについて定義されていないのが、一つの大きな問題。
  • 個別発行に関しては、最終的に国が担保しているという意識があると、財政状況、事業が違っても、ほとんど似た格付がついてしまう。これに市場の評価をつける制度が必要。
  • 事業別に差をつける方法がレベニューボンドである。これは、それぞれの事業を行うときに、その事業からの収益で、その債権に対して金利と元本を払っていくというもの。
  • レベニューボンドの場合、よい事業であれば金利と元本は確実に返ってくるし、高い金利が生まれるので、その事業には資金がつき発展していく。しかし、必要もない高速道路をつくるときには、そのレベニューボンドは売れない。
  • レべニューボンドは、これまで市場に見えなかった公共サービスを市場に見える形にする。

(熊野)(資料参照(PDF形式 499 KB別ウィンドウで開きます。))

  • 地方公共団体はいろいろ勝手なことをやっているという話だが、決してそういうことではない。東京都の歳出規模は平成17年度予算で11年度比7%減であり、歳出削減努力をしてきている。地財計画でも歳出は削減されているのに対して、国ではむしろ増えている。モラルハザードを言うのであれば、まず国の方に言ってほしい。
  • 国がバブル崩壊後に、起債の償還を交付税で見るからということで地方公共団体に景気対策を押しつけた結果、地方債残高が増えた。したがって、この償還は国が責任をもつべき。
  • 将来交付税で起債の償還が措置されるから予算計上するといった、放漫な予算査定はあり得ない。
  • 「交付税で起債の償還を措置するのは国税への転嫁」という言い方は、地方交付税、地方税構成の一定割合は地方の財源であることからすると、不適当。
  • 交付税措置については、地方債との関係のみで議論されるべきではなく、税源移譲、国庫支出金をどうするかといった中でトータルに判断されるべきもの。
  • 政府資金でも民間資金に比べ長期的に見れば損をする場合もあるので、「政府資金はコストが低いので過剰に事業を行う」ことは決してあり得ない。
  • 東京都では資金調達をする際、低コストでの調達のほか、住民サービスの低下を招かないよう安定的に調達をすることも考える。また、市場で資金調達できなくなる場合も考え、調達方法、引受先の多様化を図りたいと考えている。したがって、市場原理だけでは自治体の実際の資金調達はできない。
  • 地方債でのデフォルトは必要との意見に原則的には反対しない。しかし、デフォルトの責任を負わされるのであれば、課税自主権が与えられないと責任は負えない。
  • 課税自主権をどうするかといった根本的な地方財政制度の改革に並行して、地方債のデフォルトの問題も考えていく必要がある。

(小川)(資料参照(PDF形式 284 KB別ウィンドウで開きます。))

  • 地方債急増の背景で根本にあるのは、チェック・アンド・バランスがかなりあいまいにされてきたこと。もう一点は、地方の自助努力によって財政を健全化することに対し、インセンティブがほとんどついていないこと。
  • 起債規制が緩和されると、地方財政に対する保護、支援の低下が問題になる。また、今後、どのようにして地方財政の健全性を保っていくか、悪化してくる団体への対応について改善が必要。
  • 外国の制度は国によってまちまち。イタリアのように中央集権が進みつつある国、ドイツのように、今まで国から地方につけられていた保護、保証がEU規制によりなくなってきている国がある。
  • 日本では、上下水道、ガスその他で、「レベニュー債もどき」が発行されている。もどきというのは事業自体で単独で処理する形になっていないため。また、ディスクロージャーが悪いので改善が必要。税収そのものを償還資源にして発行するレベニューボンドは、今の段階では難しい。
  • 外国では、公営企業金融公庫のような機関で民営化が行われている事例もある。比較的規模の小さい自治体についても、公庫を通じた資金調達の機能は今後とも必要。
  • いろいろ形でチェックをしながら、不必要な債券はなるべく発行しないのがポイント。

(山本)(資料参照(PDF形式 16 KB別ウィンドウで開きます。))

  • 「自治体性悪説」の話があったが、財政の最前線にいる職員は極めてモラル高く仕事をしている。また、自治体は金利に対して厳しく、地方銀行はなかなか利益を上げられない。
  • 現在進行している市場公募債の見直しが強く意識されたのは1998年で、一連の金融不安、ロシア国債の債務不履行、第三セクターでの損失の発生、地方公共団体での財政危機宣言等があり、バックに公的なところがついていてもなかなか信用できないというムードが蔓延していた。そのため、地方債は、国債あるいは政府保証債よりも質的に信用できないという雰囲気が生まれ、市場で利回り格差がつくようになった。また、2001年度に財政投融資制度の見直しが行われ、地方債計画における公的資金の割合が減ることになった。
  • 地方公共団体のデフォルトは制度や法的な能力の問題ではないのだから、デフォルトになる可能性があるというのは当たり前。
  • 地方債については、都道府県、政令指定市、市町村といったサイズや、地方公共団体、地方公社、第三セクターが混在した議論が行われている。
  • 負債による規律付けは、債権者による管理、資産清算の可能性があるからできるが、管財人はプライベートな存在であって、公的な地方公共団体を管理することはできないので、地方債で規律づけするのは難しい。
  • 財投機関債の経験を踏まえると、市場での評価は、起債規模等による流動性の差など、経営規律の程度を反映しない可能性が強い。
  • 金利が高ければ事業を実施しないというのは全くの幻想。事業をやると決まったら金利が安かろうが高かろうがやる、これが行政の務め。
  • 市場金利の水準は時々刻々と変わるので、(0.0何%かの)発行条件の格差に意味はない。
  • きめ細かい民主主義のプロセスが最も重要であり、地方債で規律付けというのはおかしい。ただ、地方公共団体の自由が増えてくれば、規律付けが必要というのも事実。
  • 受益と負担のあり方、ナショナルミニマムについての議論を深める必要あり。
  • レベニュー債については、料金等から元利償還ができて余りが出るくらいなら、地方公共団体が事業主体となるのではなく、民営化した方がよい。

(土居)

  • 「制度を憎んで人を憎まず」で、「自治体性悪説」に立っているわけではない。住民のために働こうという意欲があっても、今の制度では隔靴掻痒の感がある。かゆいところにも手が届くようにするには、より市場指向型の制度に変えていく必要がある。
  • 市場メカニズムによる地方債発行は、このような低い金利ではもう貸せないという形で、今ほど大量に地方債を発行できなくなるようにするだけでも十分にメリットがある。
  • 90年代の地方債について、国から押しつけられたという議論をよく聞くが、少しは自治体もやりたい事業があったのではないか。
  • 「地方交付税を通じて債務の返済を国税に転嫁している」の真意は、国税納税者に転嫁している、特に、他地域の住民である国税納税者に転嫁しているのが問題だということ。

(吉川)

  • 最も大切なことは、何に金を使うか、どのようなパブリックサービスを提供するのか、どのような投資を行うのかということ。
  • その点で、金利が高くても何であれ事業はやると決めればやる、それが行政だと言うのは暴論であり、企業でいえば設備投資をやると決めたらやる、株主の利益など考えない、言っているのとほとんど等しい。
  • ファイナンスについては、国も問題かもしれないが、地方公共団体のインセンティブをゆがめていないか、ガバナンスをゆるめているのではないか、ソフトバジェットの問題をもたらしていないか、これが問われている問題で、問題ありだと思う。

(山本)

  • 企業と公共団体の意思決定を並べるのはいかがなものか。企業は資金調達コストと投資収益率を勘案して投資判断をするが、公共団体がそのような意味で投資収益の判断をするとは考えにくい。
  • 債券市場での差の問題も、たかだか0.数%の違いで、政治プロセスで決まった事業をやめるという特別な判断が行政から出るというのは基本的に考えられない。

(吉川)

  • 地方債で実際上問題になっているのは、本当にナショナルミニマムにかかわることか。大変な数のパイプオルガンが地方に据えつけられている。
  • 行政と企業は確かに違うが、借金の重みについての原理は同じ。行政の役割は、住民の現在から将来にわたり得られるであろう効用の割引現在価値を最大化すること。行政が債券をどのように発行し、それによりどのようなリアルな投資を行うか、という点においては原理的に株主の利益を最大にする企業と同じ。
  • 地方債とナショナルミニマムとの関係も交通整理をする必要がある。

(吉野)

  • ほとんどの人は、地方債、国債は、将来的に我々の税金で返すべきものだということを認識していない。地方債、国債で発行した支出の効率性が見えていないのが問題。
  • 全部混ぜて地方債を出すのでなく、事業がうまくいっているのか否かわかるようなシステムが必要。地方債はナショナルミニマムに対して向けるべきで、それ以上の部分には違う方法で財政規律をつくる、その一つの方法がレベニューボンド。
  • アメリカでは高速道路網、空港といった大きなプロジェクトでもレベニューボンドで調達されている。
  • 財投機関債の評価は政治力等市場とは別のところで決まる、というのはそのとおり。地方債に関しても同じことが起こるので、地方債で各プロジェクトの規律付けするのは困難。社会保障のための支出、建設のための支出を分けるのではなく、むしろ事業ごとに分けて、そこからの収益がはっきりと市場で現れるシステムにするのが財政規律を上げることになる。
  • ナショナルミニマム、シビルミニマムをきちんと定義することも重要。

(熊野)

  • 一般的な事業の実施については、行政目的、行政ニーズ、費用対効果、将来負担を総合的に判断して決めるものであり、財源は後回しになるのが通常。財源について起債を充てるかどうかは、将来の元利負担を個々の事業ではなく東京都の財政トータルとして判断する。
  • 公営企業会計、準公営企業会計はレベニュー債と似たような仕組みだが、それが似て非なるものと言われると、残りの事業でレベニュー債を適用できるものはほとんどない。市街地再開発、区画整理事業あたりしかない。そういう事業にレベニュー債を導入しても低コストで資金調達できるか疑問。

(土居)

  • 鉄道等で路線を追加する際にレベニューボンドを適用する場合、その収入をレベニューボンドに優先して充てると、既存債務が劣後してしまうことが懸念されるが、どうか。

(吉野)

  • 例えば、既存の赤字部分も含め、ナショナルミニマムに相当する部分は公的資金を認めて、その上乗せ部分をレベニューボンドで実施することは可能。
  • レベニューボンドで実施できる事業がないならば、もう余り事業をやらなくてもよいのではないか。また、全般的な収益率が低い地域でも、収益率が高いプロジェクトが組めればレベニューボンドでできる。

(小川)

  • 地下鉄のように財政にストレスがかかるものは、これまで、甘い需要見通しに基づいて建設されることが多かったが、今後はしっかり検討すべき。
  • 格付基準からいえば、「暗黙の保証」と本来的な法律に基づいた保証とははっきり分けている。投資家の方もそれを認識すべき。

(山本)

  • 今後、地方公共団体の自由が増すと、民主主義の中での規律のあり方が変わってくる。
  • 基本的に地方債は余りたくさん発行しない方がよい。
  • 将来、地方分権が進み、地方公共団体が勝手に事業をやり、勝手に地方債を発行し、償還していくという体制になれば、市場での金融機関と地方債のかかわり方は変わってくる。

(熊野)

  • 基本的に地方分権は、受益と負担を住民のより近いところで判断できる方向に持っていくこと。そのためには、税その他諸制度を全部地方公共団体に任せる方向で構築していく、その中で地方債のあり方を考えていくのが必然。
  • ただ、その際、地方公共団体を全て一律の制度にするのはどうかと思う。

(小川)

  • 今後、国、地方ともいかにしてその債務を増やさないように行政サービスを維持していくかが問われる。1つはマーケットメカニズムを使う。
  • その際、もう少し透明度の高い地方財政制度ができればよいが、果たしてそれがうまくいくかどうかが問題。

(土居)

  • 地方債改革を「四」位一体で行うべき。つまり三位一体の中に、一体として地方債の改革も進めることが必要。
  • 弱小自治体については、地方税とともに国が財源を負担し、債務には依存しない形で行うべき。そのためには、ナショナルミニマムの定義を明確にすべき。
  • 今後の地方債制度全体については、基本的には市場メカニズムと財政ルールの車の両輪でやっていくことが必要。

(吉野)

  • ナショナルミニマムの部分は平等化が必要。それ以上に関しては、規律がわかるような、レベニューボンドといった形での資金調達が必要。
  • 地方債でも国債のような商品の多様化が必要。金融機関には、ただ長期を買うのではなく、負債と資産のデュレーションをマッチングをした形で購入してほしい。
  • 地方債、国債は、受益と負担がマッチングする制度へ持っていくことが財政規律にもつながる。

(吉川)

  • 現在の地方債制度は、将来にわたる予算制約が規律として働いているかどうかという点で問題がある。この点で国のかかわりを見直していくべき。

[質疑応答]

(聴衆A)

  • 地方債、四位一体改革は、どういった部分を表面に出していくのか。

(土居)

  • 地方債に関しては、独自の税収で返済できる財政運営が基本。過去の元利償還金の交付税措置については、極端に言えば国が全部国税で返済する、その上で今後については新規の交付税措置を廃し、自治体名義で借りるお金は基本的に自前の税収、事業収入で返済することが必要。
  • 地方債は自治体の債務だから今後は交付税で面倒見ないということで終わりにするのではなく、地方債務返済財源のための増税余地を自治体に与えるといった一体改革を考えている。

(聴衆B)

  • 歳出の裁量がないにもかかわらず収入については自分の財源で返済すべき、というのは地方公共団体関係者としては引っかかる部分。地方公共団体と国の役割の整理の仕方及びその財源の整理の仕方を再度説明してほしい。

(土居)

  • 歳入と歳出、両方の権限を合わせて移譲するということが必要。国がやるべき仕事は、仮に自治体にやってもらうとしても全額国庫負担とすべき。
  • 日本では、過度に自治体に社会保障の業務を負担させ過ぎている部分がある。ナショナルミニマムを見直す中で国が引き取るべきことを検討すべき。

(吉川)

  • 地方の仕事が全て国に決められているというのは言い過ぎで、自らの裁量の中で本当に必要かと首をかしげるようなことが行われていたことも事実。

(聴衆C)

  • 質問でなく意見。住民に対して担ってきた説明責任を、市場から資金調達するという観点で、市場に対しても果たす必要は当然あると思うが、格付の取得まで及んで市場にその財政規律をただす機能を求めていくのはいささか行き過ぎ。

(小川)

  • 格付の関連で言うと、日本では住民に対する説明責任の水準がまだ低い。格付けのようなディクスロージャーが、特に財務内容の公開に役に立つとすれば、それも住民に対する説明責任の改善の一環になる。
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