第22回ESRI経済政策フォーラム
「晩婚化、非婚化:人生80年時代の男と女と結婚」(概要)

経済社会総合研究所

平成17年7月

本フォーラムの概要について、事務局の責任により以下の通りとりまとめましたので、ご参照ください。また、議論の詳細については議事録別ウィンドウで開きます。(PDF形式 154 KB) をご参照いただければ幸いです。

  • (開催日時)
    平成17年6月20日(月)10:30~13:00
  • (パネリスト)
    岩澤 美帆
    国立社会保障・人口問題研究所主任研究官
    佐藤 博樹
    東京大学社会科学研究所教授
    樋口 美雄
    慶應義塾大学商学部教授
    山田 昌弘
    東京学芸大学教育学部教授
    吉岡 睦子
    弁護士
  • (モデレーター)
    林 伴子
    内閣府経済社会総合研究所主任研究官

冒頭で林伴子主任研究官より本フォーラムの趣旨を説明した後、岩澤美帆氏より基調報告をいただき、その後パネルディスカッションを行った。最後に会場参加者の方々との質疑応答があった。

今回フォーラムの趣旨(林伴子主任研究官) (イントロダクション(PDF形式 23 KB別ウィンドウで開きます。))

  • 少子化の要因は多様であるが、今回は特に、晩婚化・非婚化に焦点を当てたい。もちろん、結婚は個人の選択の問題であるが、仮に本当は結婚したいのにできない人がいるのであれば、結婚しやすい環境づくりのために何かやるべきことがあるのかもしれない。そこで、今回は、晩婚化・非婚化の要因は何か、結婚を望む人が結婚しやすい環境をつくるために、政策的対応を行う余地があるのか、あるとすれば何かといった点を中心に、客観的データや実証分析に基づく議論をしていただく。
  • 当研究所の調査によると、日本よりも出生率の高いスウェーデンやフランスでは、日本より晩婚化しているが、それは法律婚が遅いということであり、実際には若い男女が早くから一緒に暮らし、子供ももうけている。スウェーデンでは法律婚カップルの9割は同棲(サムボ)を経て結婚している(フランスでは8割弱)。同棲期間中に産まれる子供も多く、その結果、スウェーデンでは婚外子の割合が56%(フランスは44%)となっている。この背景には、人々の意識の違いに加え、法制面での同棲カップルや婚外子の保護がある。
  • 日本では同棲が一般的でないので、晩婚化が即、晩カップル形成化という状況になっている。こうしたことも踏まえて議論していただきたい。

基調報告「晩婚化・非婚化の要因」(岩澤美帆氏)(資料参照 ([1]PDF形式 137 KB別ウィンドウで開きます。・[2]PDF形式 420 KB別ウィンドウで開きます。))

  • 晩婚化、非婚化の問題は、少子化の規定要因、高齢社会の将来像、働き方や暮らし方の問題として取り上げることができる。
  • 非婚化に関する見通しをまとめると、結婚の件数は、団塊ジュニアの婚期が終わり、2003年の60万件から、2030年には40万件台まで落ち込むと予想される。また、2002年に、30歳未婚女性のうち「いずれ結婚するつもり」と答えた人は85%(35歳で77%)。一方、現在30歳未婚女性が今後結婚する確率は5割(35歳では3割)と予測され、結婚意志と実際の結婚確率との間に大きな乖離が見られる。
  • 結婚パターンを規定する要素は三つ挙げられる。第一は「結婚の望ましさ」であり、結婚のメリット感、結婚と競合するライフスタイルの存在に関係する。結婚の利点を時系列で見ると、女性では、「子供や家族を持てる」、「経済的余裕が持てる」が増加。一方、利点で減っているのは「社会的信用が得られる」、「親や周囲の期待にこたえられる」。男性も同様の傾向だが、利点がないとする人が女性以上に増えているのが特徴的で、減っている利点は「社会的信用が得られる」、「生活上便利になる」である。
  • 第二は「結婚のしやすさ」であり、結婚生活を営むための社会経済的条件がかかわってくる。1年以内の結婚に障害があると答えた者の割合を時系列で見ると、2000年をまたいで上昇。障害の具体的項目としては「職業や仕事上の問題」が増加。年齢別に結婚の障害を見ると、20代では「結婚資金」、30代では「仕事」が多い。女性は30代になると「親との同居や扶養」が増える。
  • 第三は「結婚相手の選びやすさ」であり、適齢期男女の人口バランス、マッチング文化の存在と関係がある。学歴別に同年齢層未婚男女の性比をみると、短大卒以上女性1人に対して、短大卒以上男性が1970年は2人いたのが2000年では1人を切っており、女性の上昇婚が構造的に難しくなってきている。アメリカでは高学歴女性が必ずしも上昇婚にこだわらなくなっており、むしろ高学歴女性の婚姻率が上がっている。また、夫婦の出会いのきっかけをみると、見合い結婚、職場結婚が減った分がそのまま初婚率の低下につながっている。
  • 独身でいる理由を総合的にみると、20代はそもそも「必要性がない」、「仕事、学業を優先したい」。30代は、「適当な相手が不在」、それに続いて「必要性がない」、「気楽さを失いたくない」。
  • こうした理由は今後も変わらないのか。なぜ結婚生活と仕事、学業が競合するのか。諸外国では、結婚することがむしろ仕事に有利な影響がある。日本では本当にメリットがないのか。
  • 結婚生活に優先する仕事、学業の追求は今後も続くのか。仕事をする目的、家族を持つ目的は今後どう変わるのか。
  • 独身の気楽さは続くのか。シングルの高齢化という問題があり、今後変わっていくかもしれない。相手に期待する条件は今後も変わらないのか。
  • 出会いの機会について個人でできる範囲は狭い。昔あった社会的な仕掛けが失われているが、これを個人の責任と考えるのか、それとも何か社会的なシステムを再構築するのか、議論していく必要がある。

[パネルディスカッション]

(山田)(資料参照(PDF形式 11 KB別ウィンドウで開きます。))

  • 1980年代に恋愛様式が根本的に変動した。80年以前に青春時代を送った人と80年以降に青春時代を送った(ている)人では、恋愛行動が全く異なっている。今では、恋人と結婚しなくても非難されない、セックス関係があっても結婚しなくてもよいというのが当たり前になっている。
  • 高度成長期の恋愛の特徴の第一は、恋愛が結婚によって正当化されたこと。第二は、出会いの場が非常に少なかったこと。これは、出会った相手が素敵に見えるため、結婚においてはプラス。また、男性は経済力、女性は家事・育児能力といった魅力の性役割分業があった。第三は、恋愛感情がなくても結婚出来たこと。経済的安定が期待出来たため、妥協のしがいがあった。さらに、恋愛があこがれの対象にとどまっており、恋愛しなくても恥ずかしくなかった。
  • 現代の恋愛の特徴の第一は、恋愛と結婚の緩やかな分離が起きていること。結婚しなくても恋愛、セックスを含んだ男女関係を楽しめる。このため、結婚のきっかけがなくなっている
  • 第二は、男女の交際機会の増大であり、それにより、ミスマッチが一般化し、もっといい人が現れるかもしれないという意識を持ちやすい。そして、魅力の二極化(もてる人はますますもて、もてない人は放置される)が起きている。
  • 第三は、妥協のしがいがなくなっていること。結婚しても人並みの生活すら期待できない状況が現れており、妥協しようにも妥協できない。また、「パラサイト・シングル」は、適当な人に出会うまで、とりあえず親と同居して待つことができる。恋愛幻想の強まりにより、なかなかカップルの形成、結婚に至らない。妊娠くらいしか結婚のきっかけがなく、占いが氾濫する。

(吉岡)(資料参照 ([1]PDF形式 12 KB別ウィンドウで開きます。・[2]PDF形式 79 KB別ウィンドウで開きます。別ウィンドウで開きます。))

  • 母子世帯は離婚の増加とともに年々増加。平均所得は非常に低く、一般世帯の4割にも満たない。母子世帯の母親の就労環境はこの5年間でむしろ悪化。離婚した母子家庭等に支給される児童扶養手当受給者数も年々増加。
  • 母子家庭は貧困化。その理由としては、母親の就労環境の悪化、児童扶養手当の受給者数増加に伴う支給額の削減。父親からの養育費の受給状況も悪化。取り決めそのものがないというのが66%、取り決め後受給なしという人も66.8%。受給額は、5年間で減少しており、月平均5万円にも満たない。
  • 母親の就労環境悪化の理由は、女性であること、年齢が若くないこと、育児の必要のある子供がいること。さらに専業主婦であった場合、職業訓練等も十分になされていないこと。
  • 法制度上の対応としては、養育費の算定方法が標準化(2003年)。これにより養育費の取り決めが簡易、迅速化。養育費取り立てについては、予備差押制度、財産開示制度ができた(2003年)。また、一種の制裁金である間接強制制度も導入(2005年)。これらの制度を活用しても取り立てには限界。母子家庭の自立を促進するため行政上の就労支援も措置(特別措置法)。いずれにしても、これらは私的扶養を強化していくもの。
  • 日本の協議離婚制度は世界的に見ても特異な制度。子供のいる夫婦が、公的な機関が全くかかわらず、養育費の取り決めもしないで離婚できる。アメリカ、イギリス、フランス、スウェーデン等では、子供のいる離婚の場合には、取り決めの際に必ず国、裁判所等第三者が関与。養育費の取り立てにも国が積極的に関与している国が多い。
  • 日弁連は、現在の協議離婚制度の利点を保ちつつ、養育費の取り立て、支払い確保を図るという観点から、養育費取決め届出制度と養育費立替制度を提案。
  • 離婚以外の法制度上の問題点としては、事実婚への法的対応が不十分。配偶者相続権が事実婚の場合はなく、婚外子への法的差別も(社会生活上の差別も)残存。また、事実婚に対しては配偶者控除等の税制上の違いもある。夫婦別姓も未実現。
  • 実態が多様化しているのにもかかわらず、子供をもつコースが法律婚そして嫡出子を産むという狭いコースに限られている。離婚の際の母子家庭や婚外子の問題への対応等、養育環境にハンディのある子供たちの保護も広い意味での少子化対策ではないか。

(樋口)(資料参照(PDF形式 23 KB別ウィンドウで開きます。))

  • 晩婚化・非婚化の理由は大きく二つある。一つは結婚希望が薄れていることであり、これに対して政府が結婚すべきと言うのはおかしい。もう一つは結婚したくてもできない何らかの制約があるということ。その制約を軽減するような政策的介入が正当化される場合もある。
  • 80年代の晩婚化・非婚化の要因は、女性の社会参加、パラサイト・シングルなどにより、結婚しない選択肢が拡大したこと。このような場合、政府は介入する必要はない。
  • 90年代の晩婚化・非婚化の要因は、結婚できない制約の拡大。労働市場の二重構造化、二極化の進展により、経済的な側面で結婚できない理由が生じている。フリーターの問題もある。反面、正社員は、労働時間が非常に長いため、結婚してもまともな生活ができない。
  • 今日、フリーター経験者は大きく拡大。フリーターについては、現時点における格差に加え、その後どうなっていくのかという問題がある。
  • フリーターは、90年までは横ばいまたは減少していたが、92年以降急速に増加。また最近になるほどフリーターからの脱却が困難になっている。30代のフリーターが急速に増えており、既に日本でもフリーターの中高年化が起きている。
  • フリーター経験者は、正規雇用者に比べ、その時点だけではなく、将来にも大きな所得格差をもたらす。
  • フリーター経験が結婚、出産に与える影響についてシミュレーション分析すると、91年以前の学卒者には大きな差がなかったが、92年以降は、正規雇用者は20代後半になると結婚する人が増えるが、フリーター経験者は未婚比率があまり低下しない。インタビュー結果でも、資金的に結婚できないという理由が多く挙げられている。フリーターが結婚を希望していないというよりは、経済的な制約が晩婚化、非婚化を招いていると推察される。
  • 一方、正社員に起こる問題は時間的な制約。残業時間が週20時間以上の者が特に30代、40代で多く、その割合は時系列的にも上昇。

(佐藤)(資料参照(PDF形式 27 KB別ウィンドウで開きます。))

  • 職場での出会いの機会がなくなってきたが、それに代わる出会いの機会ができていない。それは、個人に起因する問題なのかどうか。
  • 未婚者が多い要因に、出会いの機会がない、うまく異性とコミュニケーションをとれないということがある。ここに構造的な要因があるとすれば、そこを埋める仕組みを考える必要がある。
  • 未婚化は、職場社会や地域社会の構造変化、あるいはそれぞれの場における人間関係の変化に起因する部分が大きい。出会いの機会がなくなるだけでなく、結婚について相談する人たちもなくなるという構造変化がある。
  • 未婚化は、社会構造の変化の一つの兆候であり、企業にとっても非常に重大なこと。社員の人間関係のつくり方には企業としても関心を持つべき。
  • 構造的な未婚化要因を考えたとき、結婚情報サービス産業の役割には出会いの機会の提供というマッチングサービスと、アドバイス機能・カウンセリングサービスがある。
  • 結婚情報サービスはなかなか敷居が高い。まず、自ら出会う機会をつくって恋愛に至るのが望ましいとする固定的な恋愛観を打破することが重要。その上で、結婚についても、職業紹介同様、専門的なサービスを活用して、アドバイスを受けながら出会いに至るという、社会的認知を高めていくことが重要。
  • そのために結婚情報サービス産業が提供しているサービスの内容、質がどういうものか、利用者にわかるようにしていくことが重要。例えば、マッチング率、専門サービスの内容、カウンセラーの専門的能力、個人情報保護等に関する情報公開が重要。カウンセラーについての専門的な資格制度の創設も考えられる。また、業界としての戦略的宣伝も重要。
  • 敷居を低くする上で、企業の中にキャリアカウンセラーが、仕事だけでなく、それに加えて結婚についての専門的なカウンセラーにつなぐという異業種間連携も考えられる。
  • 結婚情報サービス産業が提供するのは、結婚そのものではなく、結婚に至るプロセスの機会や専門のカウンセリングサービスである、ということへのユーザー側の理解も重要。

(岩澤)

  • 晩婚化・非婚化が進む今の世代は、親の経験が全く生かせない世代。
  • 若い時期から、結婚を積極的に考えていくべき時代になっている。仕事と同様、自分がいつどういう人と出会い、どういう結婚をしていくのかを考えていく必要がある。その際、結婚に関してネガティブな情報が多いが、こうやったらうまくいく、だめになっても次にこういうチャンスがある、といった情報も出していく必要がある。
  • フリーターや雇用安定化の問題の一方で、経済的には安定しているが出会いがない、仕事と身近な生活とのバランスがとれないという問題が別にある。それに関しては、結婚は自然にできるものではなく、コストがかかるということを認識して、職場の働き方の中で、個人の問題だからというのではなく、温かく見守る環境が重要。

(吉岡)

  • この問題への法的対応には二つの方向性がある。一つは、今日の社会の中で養育費の取り立て等について、私的扶養の強化で対応するのは限界があるので、その先については、国や公的な機関が積極的に関与する必要がある。
  • もう一つは、今まで結婚に対する法的な規制がある意味では非常に強かった。今後は、社会的にカップルのあり方が多様化しているので、別姓制度も含め、その多様化に見合った法的な規制緩和をして、いろいろな選択肢を用意できるようにする必要がある。

(山田)

  • 未婚化・晩婚化の問題は単純ではなく、結婚のあり方、労働のあり方、さらには自我のあり方、自分意識のあり方がここ10年ぐらいで大きく変わっている中で起きている出来事。
  • 社会統合という面からマクロ的に考えると、仕事、家族という社会的なつながりから排除されている人が増えるのは大変問題。何らかの対策が必要だが、なかなか難しい。
  • 妥協を妥協と思わせずにうまく誘導することは、仕事においても、結婚においても必要になってきている。
  • 結婚したくてもできないという場合、妥協できない、妥協できない経済状況という二つの側面がある。後者のような、結婚してもまともな生活ができないために、妥協しようと思っても結婚できないということが増えている。せめてその部分だけでも解消し、2人でまともに生活できるくらいの見通しを立てられるようにすることが最低限必要。
  • 結婚は生活と割り切り、家庭生活というものを大事にすることで、そこそこの人生が送れるというケースを増やすしかない。

(樋口)

  • 政策として介入すべきこと、介入すべきでないことの線引きをするべき。介入すべきでないのはプライバシーの問題であり、結婚するかどうかは本人の問題。その上で、政策的に介入すべきことは大きく3つある。
  • 第一は、結婚のメリットを大きくしていくこと。親も、周りの人たちも、結婚して楽しいという社会をつくっていくこと。
  • 第二は、結婚のデメリットを小さくしていくこと。例えば、母子家庭や事実婚の問題について法的な不備が存在するのであれば、そこを整備していく必要がある。また、税・社会保障制度、それと連動して決められる企業の給与・処遇について、家族あるいはカップルの形態について損得がないような仕組みをどうつくるかがポイント。
  • 第三は、結婚したいと思ってもできない制約を小さくすること。労働市場の二重構造化には法整備の問題も存在している。処遇の均等化がほとんど法的には担保されていないところがある。それがある意味では非正社員を増やす一つの要因になっており、時間制約の強い人と所得制約の強い人といったワークライフバランスが達成されない状況をもたらしている。

(佐藤)

  • 結婚に関しては、基本的に個人の選択であるから、直接的な政府の介入は避けるべき。ただ、選択の機会が構造的に減っているとすれば、そこを埋めるような環境づくりの余地はある。
  • 第一は、恋愛についての考え方を変えることが重要。ある水準を超えたら結婚しそれから愛情をつくっていく。そのためには、結婚、離婚のハードルの見直しを同時に進めていくことも重要。
  • 第二は、家庭、学校、企業の中で人間関係構築力、コミュニケーション能力を高めるようなバックアップが重要。その上で、それぞれが多様な人間関係をつくり、その結果として異性とも出会えるということが重要。自治体がやるべき一つのアイデアとして、たとえば県立高校の同窓会費を出す。いろいろな学歴、仕事を持つ人が一堂に会する機会をつくることが重要。
  • 第三に、結婚情報サービス産業の社会的認知を高める上で、それぞれがどのようなサービスを提供し、どのようなリスクを持っているのか、利用者にわかるようにしていくことも重要。これについては、政策的対応の余地がある。

[質疑応答]

(聴衆A)

  • 結婚情報サービス産業には、何か不透明な印象がある。民業を圧迫しない程度に国、もしくは自治体が介入することはできないか。

(佐藤)

  • 国営の結婚相談紹介所は避けるべき。業界が自主ルールで認定制度を設ける等、サービスの質を担保する仕組みをつくり、行政がそれを少しサポートすることはあり得る。

(聴衆B)

  • フリーターの数は1997年の金融危機前後で飛躍的に多くなってきているが、分析していないか。
  • 結婚の経済的なデメリットについて言及してほしい。
  • スウェーデンやフランスにおける婚外子差別について伺いたい。また、日本では企業の手当、配偶者控除以外にどういう差別があるか。
  • スウェーデン、フランスでは婚外子の増加が出生率の増加をもたらしたといえるのか。

(樋口)

  • 97年前後は、確かに労働市場にとって大きなターニングポイントになったが、97年から7年しかたっていないのでまだ安定的な分析ができない。
  • 女性の場合、出産後はパートタイマーが多いが、フルタイマーとの給与格差が大きいために、時間の制約が経済的格差を生み出す社会になっている。それが、結婚に伴う経済的なデメリットになっている。
  • 重要なのはマクロ経済のバランスであり、90年代の少子化の進展に大きな影響がある。
  • 90年代のフランスの出生率の上昇も、若者雇用の安定が基本的に大きく影響している。

(吉岡)

  • スウェーデンも含めて、いわゆる先進諸国は婚外子差別を撤廃していると理解している。国連の子供の権利条約、国際人権規約等の諸条約で、婚外子を差別してはいけないということが宣言されて以来、国際的に差別撤廃の方向で取り組みがなされている。
  • 日本では、民法の相続分差別以外は法制度上の差別は徐々に撤廃されている。ただし、社会実態としての差別意識は根強くある。

(林)

  • 国際的に見ると、概して婚外子の割合の高い先進国は出生率が高いという傾向が見られる。ただし、婚外子割合が上がったから出生率が上がるという因果関係ではない。
  • 人生80年時代、子育て後、夫婦だけで過ごす時間が長くなり、配偶者選択に慎重になるのもやむをえない。フランスやスウェーデンの人々は、とりあえず一緒に暮らしてみるという方法で彼らなりの合理的な対応をしている。
  • スウェーデンでも90年頃のバブル崩壊後、若年の失業率が上がり出生率も下がった。90年代後半以降、また景気が回復し、出生率も若年雇用も回復している。

(山田)

  • 今は悪循環過程にある。まずは若者の雇用が安定し、見通しを立てられるようにすることによって、子供を増やし、消費を増やし、親も気軽に消費できるようになるという好循環ができる。

(聴衆C)

  • この問題は、そもそも家庭生活とは何か、結婚とは何かといった本質的な考え方にたって議論すべき。
  • 同世代の女性で結婚を選んだ人たちが、どう判断し、どう苦労を乗り越えてきたかということは参考事例になるので、周りにもっと伝えてほしい。結婚サービス業のカウンセリング効果は、社会も大いに評価すべき。

(岩澤)

  • 60年代生まれの層は葛藤の世代だったが、今は男性の育児が少し積極的にとらえられるようになるなど、むしろ結婚は負担ばかりではないという話も聞く。

(佐藤)

  • 結婚情報サービス産業のカウンセリング機能について、業界ももっと宣伝した方がいいというのはご指摘のとおり。
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