第49回ESRI経済政策フォーラム
「幸福度・質的成長の測定―新しい社会指標の整備方針を探る―」概要

1.開催概要

日時:平成24年12月17日
場所:航空会館(港区新橋1-18-1)
一般参加者数:100名程度
パネリスト・コーディネーター:

  • 西村周三 国立社会保障・人口問題研究所長(コーディネーター)
  • 山内直人 大阪大学大学院国際公共政策研究科教授(内閣府幸福度に関する研究会座長)
  • 川崎 茂 日本大学教授(元総務省統計局長)
  • 吉野諒三 統計数理研究所教授
  • 小谷みどり 第一生命経済研究所主席研究員

2.議事概要

冒頭、コーディネーターの西村所長からは、世界的に幸福度測定作業自体は安定期にあるが、測定すべき項目は何か、結果をどのように活用すべきか、という問題提起があった。

山内教授からは、世界的な幸福度測定の潮流とOECDが指摘する幸福度測定の統計的な課題、日本の最新の調査によるカバー状況について説明があった。また、幸福度測定における官民連携の重要性を指摘した。

川崎教授からは、公的統計においては有用性や客観性の確保が重要なところ、幸福度については、調査結果の客観性、政府による測定の信頼性、政策への利用可能性などで疑問が多々あり、公的統計に組み込むには慎重であるべき、ただし、幸福度測定を研究として行うことは否定されないとの発言があった。また、日本の過去の社会指標の開発の経緯を再点検・評価すべきことが重要との意見が表出された。

吉野教授からは、世論調査の集計結果については、標本誤差が推計できるなどの品質を満たすべきなどの指摘があるとともに、一方で政策的に対象者を絞った調査も重要との意見があった。また、インターネット調査等と一般の世論調査の手法の長所を組み合わせ活用する必要性、安易な尺度作成で数字の独り歩きの誤謬を避けるべきとのコメントがあった。

小谷主席研究員からは、死生学の観点から、終末期における幸福度は、元気な時とは評価軸が全く異なるものとなり、頼りになるのは家族と考える一方、家族の面倒になりたくないため、ぽっくり願望が強いというのが日本人の特徴という発言があった。また、政策的には、不幸せの要因を減らすという視点が重要との指摘があった。

フロアとの意見交換では、公的機関が幸福度測定を行うことは疑問、日本の不幸は若者が結婚できないこと、日本の幸福度測定の知見の蓄積を活用すべき、幸福度測定作業は、測定プロセスにおける政策担当者と住民の学び合いが重要、データベースとして結果を広く提供してほしい(コンセンサスづくりの観点など)、などの意見が出された。

以上

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